税理士松尾ブログ
根付きすぎて、根付いていることすら気付かないこと。
2019-09-25
テーマ:税理士@松尾
学生の頃、村上龍氏の「イン・ザ・ミソスープ」という小説を読んだことがあり、
淡々と進む物語の途中から突然、凄絶な展開が繰り広げられ、
まるで映画館で映画を見ているような錯覚で食い入るようにその先を読み続けた記憶があります。
(体験だけが先行して話の内容はよく覚えていませんが。。。)
それに似た感情をよみがえらせてくれた、この書籍。
淡々と遺跡の説明が進むと思いきや、
終盤につれて著者の豊かな感情が繰り広げられます。
一日に2回読み返したのも久しぶりの経験でした。
私のイメージでは、
・縄文イコール土器。
・稲作文化の浸透とともに滅びた。
それくらいの知識しかない中、
・縄文人も稲作をおこなっていた
・稲作により「余剰」が生まれ、中国大陸では争いが絶えなくなっていることを縄文人は知っていた
・よって稲作を受け入れるかどうかの葛藤があった
・政治と祭祀に特化したヤマト王権は縄文回帰の拠点であった
・江戸時代もまた、縄文回帰が原点
1万年もの間、各方面から渡来人を受け入れ、
和の精神をはぐぐんだ下地があってこその今日。
私たちはもっと「日本的経営」に自信を持たねばならないな、
と改めて感じます。
「Win-Win」とよくいいますが、
「Win-Win」すなわち「損得」だけだと、
悪いことをしようとしている人に武器を渡しても、そこだけみれば「Win-Win」になっちゃう。
近江商人が三方良しといいましたがまさにその通りで、
「Win-Win」プラス「理念」「価値観」が大切。
稲作は人々を劇的に豊かにするのは分かってはいるものの、
それをやってどうなるのか?
大いなる葛藤の元、結果的には稲作を受け入れたわけですが、
それでも「和」の精神、多神教の精神は今も強く根付いています。
根付きすぎて
当たり前になりすぎて
根付いていることすら忘れてしまっている。
どの企業にも、
当たり前に思っていることにこそ、実は価値があるのだと思います。
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